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賃貸経営
家賃保証の真実
(危険な立場の大家さん)

家賃保証の真実

家賃保証の真実(危険な立場の大家さん)

 

賃貸業界で多くの方が勘違いされていること、

それは建設業者に誘導されてアパート・マンションを建てた、

素人大家さんの法律上の立場にあります。

法律は誰の見方をしているのか、誰を守っているのかをお送りさせていただきます。

 

 

民法・借地借家法 

 

不動産業界の第1番にある法律は民法です。

「民法」は大家さんにとって有利な法律と言われており、

たとえば立退き規定では3ヶ月前に通告すれば、

正当事由など不要で賃貸借契約を終了することができるというものです。

それでは弱い立場の入居者さんが気の毒だということでできたのが、

「借地借家法」になります。

 

この法律では、借家権及び借地権に適用があり月決め駐車場などには適用がありません。

「借地借家法」があるため、現在の立退きの際には6ヶ月前通告に加えて、

正当事由と立退き費用を支払わなくてはならなくなりました。

他にもたくさんありますが、この一例を見ただけでも「借地借家法」が借りる側に有利なことが分かります。

弱い立場の借りる側の人を守ろうとできた法律ですが、

それが家賃保証契約にどう影響してしまうのか見てみます。

 

 

家賃保証契約は意味がない!?

 

 現在のアパート建築では大手から中堅の会社までほとんどが家賃保証を提案してきます。

「家賃を保証するので空室が埋まらなかったとしても大家さんには一定の賃料をお支払いします!」

というものです。

本当にその契約、安心できるでしょうか!?

 

 

家賃保証契約は、そもそも賃貸借契約に解釈されております。

冒頭でお話させていただいた通り賃貸借契約である限り借主は借地借家法で守られます。

ということは、プロである建設会社が守られて、素人である大家さんが守られないという構図が出来上がります。

 

下記の借地借家法の恐ろしい条文をお読みください。

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借地借家法第32条1項 借賃増減請求権

建物の借賃が ~省略~ 不当となった時は、

契約条件にかかわらず当事者は将来に向かって建物の借賃の増減を請求することができる

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この条文により家賃保証契約であって、10年間補償家賃を下げないという特約があっても、

いつでも賃料の増減を請求することが可能なのです。

信じられないかもしれませんが、これが真実なのです!

結論としては、家賃保証契約とは家賃保証という名のいつでも減額できる意味のない契約ということです。

 

 

消費者契約法

 

家賃保証の契約が意味のない契約ということは前回で述べました。

それでも大家さんは素人なので守られる法律はないのでしょうか!?

そこで「消費者契約法」について考えてみたいと思います。

消費者契約法を簡単に説明すると、

 

①事業者の不適切な勧誘行為によって締結された契約を取り消すことができる。

 

②消費者に不利な契約条項を無効にできる。

 

という内容の法律になります。

契約前に「会社がすべて保証しますので大丈夫ですよ!」といっていた建設会社が、

後になって、「やっぱり入居が悪いので保証賃料を下げさせていただきます。」

と言って来たら消費者契約法で大家さんは守られるのでしょうか!?

 

 

 

この法律の適用で最も重要な要素は、大家さんは「消費者」なのか「事業者」なのかということです。

消費者契約法は消費者に適用される法律であって事業者には適用がされません。

アパート大家さんは、建築や不動産の素人であっても、いくら個人であったとしても、

建物を賃貸して収入を得ている以上、法律上は「事業者」とみなされます。

よって、アパート大家さんには消費者契約法の適用がありません。

不適切な勧誘行為によって締結された契約でも、不利な条文がある契約でも

履行しなければならないのです。

アパート大家さんはとても不利な立場にあることがお分かりいただけたと思います。

 

 

家賃保証契約の裁判事例

 

大家さんの立場は非常に厳しいものだということを解説してきました。

最後に、実際にあった家賃保証契約の裁判事例をご紹介させていただきたいと思います。

 

家賃保証契約の裁判 その①   業者 VS 業者

貸主・・・・・Sチュリータワー㈱

借主・・・・・S友不動産㈱

平成3年に家賃保証契約を締結

主な条件    ・年20億円の賃料保証

        ・3年ごとに10%賃上げ

        ・期間15年間で中途解約不可

        ・値下げの定めなし

S不動産㈱が借地借家法第32条1項に基づく賃料減殺請求を4回請求しました。

平成 6年4月   14億円に減殺請求

平成 6年11月   9億円に減殺請求

平成 9年      8億円に減殺請求

平成11年      5億円に減殺請求

最高裁判所の判決は、

「借地借家法第32条1項の賃料減殺請求を認める」というものでした。

 

 

 

業者 対 業者だからこのような判決が出たのではないかと思われた方もいらっしゃると思いますが、

個人の地主大家さんでも結果は一緒なのです。

 

 

家賃保証契約の裁判 その② 業者 VS 地主大家さん

貸主・・・・・個人地主大家さん

借主・・・・・M井不動産㈱

平成7年3月に家賃保証契約を締結

主な条件    ・月1064万円の家賃保証

        ・契約期間は10年間

        ・値下げの定めなし

M井不動産㈱が借地借家法再32条1項に基づく賃料減殺請求しました。

平成7年11月  509万円へ減殺請求

最高裁判所の判決は、

賃料減殺請求を認めるというものでした。

 家賃保証契約の締結からなんと8カ月後なのに認められてしまうのです。

 

 

一連の最高裁判決により貸主が素人大家さんの家賃保証契約であっても、

賃料減殺請求が認められるという結論でほぼ動かなくなりました。

営業マンの「家賃保証だから大丈夫ですよ!!!」に騙されないようにしてください。

家賃を保証してくれると思うと、ほとんどの方が物件に興味がなくなってしまい、

業者が造りやすい何の特徴のないものが出来上がり気づいたころには手遅れということになりかねません。

 

賃貸経営とは、誰かの保証に頼るのではなく物件に頼ることだと私は考えております。